家にいて、目がかゆくなったり、ゴロゴロしたり、鼻水が止まらなくなるなどしたことはありませんか?
その症状が起こるのは、ハウスダストが原因です。
ハウスダストにより、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、気管支ぜんそく等、アレルギー疾患にかかっている人は国民の約30%以上いると言われています。
これらのアレルギー疾患の人は年々急増し、大きな社会的問題となっています。
アレルギーを引き起こす原因は、春先の花粉が有名ですが、じつはもっと知ってほしい物質として家の中のダニやほこり、ペットのフケや毛などがあります。
これらのハウスダストは季節性の花粉とは違って、1年中症状を引き起こす可能性があります。
アレルギーを克服する為に、原因と対策に迫ってみたいと思います。
①こまめな掃除
ハウスダストがほこりとなってたまると、空中に舞い上がりアレルギーを引き起こす原因になります。
ダニはじゅうたんや畳のほこり1gに約3000匹もいると言われています。
よって、ほこりをためないように、床をこまめに丁寧に掃除機をかけることが大切です。
また、家具や棚の上などのほこりは、よくしぼった濡れ雑巾で拭き取りましょう。
エアコン、空気清浄機のフィルターを掃除する事も非常に重要です。
じゅうたんは、掃除機で1㎡あたり20秒以上の時間をかけてゆっくり行うのが理想です。
②部屋の風通しを良くする
ダニは温度が約25度、湿度が70~80%の環境がもっとも繁殖しやすいと言われています。
最近の住居は断熱性・気密性が高く非常に暮らしやすいものとなりました。
それは、ダニに最高の環境を与えていることにもなります。
断熱・気密性が良いと言う事は、室内が高温多湿化しやすいため、できるだけ窓を開放して風通しを良くし、時には換気扇を使って室内の温度を下げるようにしましょう。
特に、食事の準備やお湯を沸かす時などは水蒸気が発生して湿度が上がりやすくなりますので、必ず換気を行うようにしましょう。
エアコンを使って除湿や温度調整を行う際には、フィルターのほこりにダニやカビが繁殖している可能性もありますので、きちんと掃除する事が必要です。
③晴れた日は必ず布団を干す
ダニは、人やペットのフケ、垢などを餌として活動します。
そのため、寝具やその他の寝具類で良く増殖します。
寝室の床はまめに掃除機をかけ、晴れた日は布団の天日干しをしましょう。
布団の天日干しは、夕方外の湿度が上がる前に取り込み、取り込んだ後は、さらに掃除機をかけるとダニ退治の効果がアップします。
雨の日が続く時期や花粉の飛散時期などは、布団乾燥機を使うのも良いのですが、使用中は室内の湿度が上がりますので、換気をするようにしましょう。
また、季節の変わり目に押入れから出したばかりの寝具類は、使用前に洗濯や天日干しを行い、丁寧に掃除機をかけてから使用しましょう。
④シーツや枕カバーは、毎週洗濯する
こちらも、布団と同じようにフケや垢があるとダニの繁殖に繋がってしまいます。
ダニの繁殖を防ぐためにも、毎週洗濯するようにしましょう。
⑤ぬいぐるみ、布製ソファー、じゅうたん等はなるべく置かない
ぬいぐるみ、布製のソファー、じゅうたん等はほこりが溜まりやすく、ダニの温床となってしまいます。
できるだけ置かないようにしましょう。
⑥おもちゃはホコリのつきにくいものにする
布製のおもちゃは、どうしてもダニがついてしまいます。
できることなら、おもちゃは木製やプラスチック製にしましょう。
⑦理想は床の素材は、フローリング
ダニの繁殖を防ぐためには、床の素材としては、フローリングが理想的です。
また、室内でペットを買ったり、観葉植物を置いたりすることも、ダニを増やす原因になってしまうので注意しましょう。
⑧栄養のバランスの良い食事
偏った栄養のバランスは、体調不良を招き、体にも良くありません。
栄養のバランスの良い食事をすることで、常に健康な状態を維持する事が大切です。
⑨生活のリズムを整える
不規則な生活は、体にも悪く免疫の低下や睡眠不足等も懸念されます。
早寝早起きするなど生活のリズムを整え、規則正しい生活をするよう心がけましょう。
⑩適度な運動
運動不足は、体力の低下となり、ハウスダストに限らず病気にかかりやすくなってしまいます。
定期的に運動するなど、体力不足にならないよう気をつけましょう。
ハウスダストアレルギーについて
通年性アレルギー性結膜炎とは
通年性アレルギー性結膜炎とは、主に家の中にあるダニやほこり等が原因で起こる目のアレルギーの事を言います。
通常、アレルギーの原因物質を「アレルゲン」と呼びます。
特に家の中にあるダニやほこりなどのことをハウスダストと呼びます。
アレルギー性結膜炎には2種類あります。
- 通年性アレルギー性結膜炎
- 季節性アレルギー性結膜炎
ハウスダストは、1年中室内にある為、症状として1年を通して表れます。
ハウスダストによるものは、通年性になります。
花粉が原因で起こるものは、その時期だけのことから、季節性アレルギー性結膜炎になります。
結膜は、涙でいつも濡れています。どうしても外側にあるため刺激や異物にさらされやすいのです。
ですから、ハウスダストや花粉に接しやすく、アレルギーが起こりやすくなってしまいます。
ハウスダストにはどのようなものがあるの?
ハウスダストには、
- ほこり
- 人の毛やフケ
- 動物の毛やフケ
- ダニ
- ダニやゴキブリの死骸
- ダニやゴキブリの糞
- カビ
等が挙げられます。
ハウスダストが無数のほこりとなって空中に舞い上がり、結膜にくっつくと結膜炎、鼻の粘膜にくっつくと鼻炎、吸い込むと気管支ぜんそくになるなど、様々なアレルギー症状を引き起こします。
特に問題なのがヒョウヒダニです。
ヒョウヒダニは、温度が約25度、湿度が70~80%の環境がもっとも繁殖しやすいと言われています。
最近の住宅は、気密性も高く、冷暖房設備も整っています。
この通気性の悪い環境がダニにとっては最高の環境なのです。
特にじゅうたんは絶好の住み家になってしまいます。
ハウスダストアレルギーの症状
アレルギー性結膜炎になると、
- 目のかゆみ
- 目のはれ
- 目の充血
等の症状が表れます。
特に多くの人を悩ませるのが「目のかゆみ」です。
目がかゆい事により、目をこすってしまいさらに症状を悪化させ、結膜や角膜を傷つけ、目がゴロゴロしたり、かすんだり、眩しく見えたり、痛みが出てきたりします。
他にも、涙や目やにが多く出ることや、まぶたの裏にぶつぶつができることもあります。
どうしてアレルギー反応が起こる?
人は外から細菌やウイルスが侵入したり、異常な細胞が発生したりすると、体の中に抗体を作り、異物や異常細胞を排除する免疫という機能を持っています。
免疫は本来、生体にとってプラスの働きをしますが時と場合によってマイナスの働きをしてしまうときがあります。
このマイナスの働きが病気をおこし、人を苦しめてしまいます。
これが、アレルギー反応と呼ばれるものです。
結果として、ハウスダストが涙に接してアレルギーの原因物質であるアレルゲンが結膜に侵入します。
この時、体の中でアレルゲンを排除する為に抗体を作りだします。
ところが、この抗体を作る物質がマイナスの働きをしてしまい、結膜表面にある神経を刺激してかゆみを引き起こします。
さらに、血管にもマイナスの作用が働いてしまい、充血や目のはれを引き起こします。
アレルギー体質の人は、普通の人に比べ敏感にアレルゲンに反応してしまうと言う事になります。
ハウスダストのアレルギー症状を抑えるにはどうする?
症状を悪化させない為には、薬剤による治療が必要になります。
決して自分の判断で行わないようにしましょう。
通年性アレルギー性結膜炎の治療には、
- ヒスタミンH1受容体拮抗薬
- メディエーター遊離抑制薬
の2種類があります。
この2つは抗アレルギー点眼薬といい、かゆみを引き起こす作用を直接阻止したり、抗体を作る物質のマイナスの作用を抑える働きがあります。
症状が辛い場合には、すぐに眼科に行って医師の診察を受けましょう。
まとめ
ハウスダストによる病気を防ぐには、
- こまめな掃除
- 室内の空気の入れ替え
- 布団の天日干し
- シーツ、枕カバーを毎週洗濯
- ほこりが溜まりやすいものは室内には置かない
- 置くのは木製かプラスチック製のもの
- 床はフローリングが理想
- バランスの良い食事
- 生活のリズムを整える
- 適度な運動をする
この10つです。
通年性アレルギー性結膜炎には起こりやすくしたり、悪化させたりするいくつかの原因があります。
症状を抑えるには、直接の原因であるアレルゲンを取り除かなければなりません。
そのためには、まずは病気を知ること、そして環境に気を配ることが大切です。
一日も早くつらい症状から解放されることを願います。