婚約指輪や結婚指輪、またそれぞれの自分の好み、ライフスタイルに合わせて指輪をしている方も多くいる事でしょう。
様々ある指輪ですが、気になるのが変色です。
長年使用していれば、少なからず変化が起こることでしょう。
変色すれば、元に戻すことはできますが、手間と時間がかかりますよね。
しかも頻繁に変色するようであれば、その分だけメンテナンスが必要になります。
今回は、指輪の変色しない素材の選び方についてお伝えしたいと思います。
指輪に限らず、ネックレスやブレスレットにも活用できますので是非、参考にして下さい。
変色しない指輪について
なぜ変色が起きるのか?
変色が起こる原因は、金属の化学反応が原因で起こります。
具体的には、
- 空気中の酸素と反応して酸化して変色
- 自分の汗と反応して変色
- 食器洗いの洗剤や手を洗う洗剤、シャンプーの洗剤に反応して変色
- 温泉の成分に反応して変色
などが頻繁に起こる例として上げる事ができます。
シルバーの指輪がよく変色しやすいと言われますが、理由は銀が他の物質と反応しやすいためです。
酸化銀や硫化銀に変化してしまうので、黒くなります。
ピンクゴールドは、金に銅が含まれて作られています。
銅もまた他の物質と反応しやすいのが特徴です。
銅といえば、身近な所に10円玉があります。
10円玉の素材は銅です。
10円玉が汚れて緑色になっているのを見たときありませんか?
この状態も立派な変色になります。
周りの空気中の水分や、触れた成分と反応することで酸化銀、酸化銅と変化してしまうので、変色する結果になります。
銀は、純銀であっても他の物質と反応しやすいため、変色します。
銅もまた同じです。
変色しない指輪はどんな素材が良いの?
変色を防ぐためには、他の物質と反応しない、つまり安定した物質を選択すれば変色する事はありません。
最も安定している物質は、
- プラチナ(白金)
- 金
この2つです。
当り前じゃないか、と思う方もいるかもしれませんが指輪の素材の含有量によっても違ってきます。
変色しないプラチナと金の特徴
プラチナについて
プラチナは白金(はっきん)と呼ばれ、プラチナ製の指輪の場合、ptという単位で表されます。
pt1000は純プラチナ、その後はpt950、pt900と続きます。
一番高価なものはpt1000の指輪なのですが、弱点があります。
それは、純プラチナは非常に柔らかい物質であることです。
純度が高ければ、高いほどまず変色する事はありません。
ですが、柔らかいので変色はしませんが変形します。
女性がする指輪は、男性用と違い細いものが多い傾向があります。
細いものは、どうしても強度が弱いので純プラチナで高価であるほど変形しやすくなってしまいます。
そのため、プラチナの指輪はpt950やpt900と純度を下げる替わりにその分、硬い金属を混ぜることで強度を出しています。
- pt950の場合、プラチナの含有量は95%
- pt900の場合、プラチナの含有量は90%
になります。
pt950の指輪かpt900の指輪の選択は価格で決めると良いでしょう。
pt950の方が当然、高価になります。
プラチナの比重
pt1000の場合、プラチナの比重は約21.3gと非常に重いのが特徴です。
比重とは、1立方㎝あたりの重さを表しています。ちなみに水の比重は1gです。
金について
金の指輪の場合、kという単位で表されます。
k24は純金を表し、その後、k22、k20、k18と続きます。
数字が少なくなればなるほど金の含有量は減っていきます。
k12になると、もはや金の含有量は半分しか入っていない事になります。
k10の場合は、指輪の金の含有量が半分以下なのでもはや金の指輪とはいえないでしょう。
当然、金の含有量が少なければ他の混ぜられている物質が多いため、周りの物質と反応し変色してしまいます。
k24が純金なので、k1当たりは、約4.166%が金であるという事が言えます。
という事は、
- k22の場合は、金の含有量は約92%
- k20の場合は、金の含有量は約83%
- k18の場合は、金の含有量が約75%
のようになります。
金もプラチナと同様に、純金のほうがより変色しないのですが、柔らかいのが弱点になります。
そのため、強度を出すために、銅や硬い金属を混ぜて指輪が作られています。
硬い金属の混ぜ方により、ゴールド、ホワイトゴールド、ピンクゴールドとなり見栄えの色が変わります。
金の指輪で変色するのは、金の含有量が低いものだけです。
ホワイトゴールドでもピンクゴールドでも金の含有量が多いものは変色はしません。
k24の純金の場合、まさしく黄金の輝きです。
ホワイトゴールドとは
ホワイトゴールドの『k18』の場合。
金の含有量が75%、その他25%は、ニッケルや銀、パラジウムなど白系の金属が含まれています。
ホワイトゴールドとプラチナは同じ白金ですがまったくの別物です。
ピンクゴールドとは
ピンクゴールドの『k18』の場合。
金の含有量が75%、その他25%は、銅のような赤系の金属が含まれています。
金の比重
k24の場合、金の比重は約19.3gです。
プラチナまではいきませんが重いのが特徴です。
共通する特徴
- 純プラチナ、純金は柔らかい物質
- 純度が高いものは濃硫酸に入れても溶けないほど安定している
- 通常の状態で錆びる事はない
- 他の金属に比べて圧倒的に重い
- 周りの物質と反応しないので変色する事はない
プラチナや金はレアメタルと呼ばれています。
特に金は工業製品としてもその性質から使われています。
精密機器の基盤に使われたり、身近なところですと携帯電話の充電部に通電するのに使われています。
正確には金メッキでコーティングしているのですが、使う理由は錆びないためです。
そして、金は柔らかいので伸ばして使う事ができます。
指輪の刻印について
ホールマークとは
出典:造幣局
独立行政法人、造幣局が第三者となって指輪を販売・製造している事業者から依頼を受けて品位の試験を行っています。
理由は、消費者を守るためです。
正しく製品を作っているか、純度が正しいかを検査しています。
通常、プラチナの製品であれば、『pt1000』、『pt950』、『pt900』と指輪の後ろに刻印されています。
金製品であれば、『k24』、『k18』、『k12』、『k10』などと刻印されています。
実はこの他にも指輪の品位を証明しているマークが『ホールマーク』と言います。
通称、『財務省検定マーク』や『ホールマーク』と呼ばれています。
例えば、
『k18』の金の指輪の場合、金の含有率は75%なので、
ホールマークでは『日本の国旗のマークと<750>』のようになります。
このマークは、任意で刻印されているマークではありますが、指輪を購入するときの目安になりますし何より安心します。
表記の『pt』や『k』以外のものは何?
通常であれば、プラチナはpt900、金であればk18という表記のみで表されています。
ですが、その後ろにGF、GP、GR、GEPなどと表示しているものがあります。
これらは、メッキ加工である場合があります。
変色しますので注意しましょう。
プラチナ製なのか、金製なのか、メッキ加工製なのかを把握するのは重さです。
手に持って見て、大きさに対し重ければ本物、軽ければメッキ加工となりますので注意しましょう。
指輪が変色した場合の対処法
プラチナや金の含有量が多い指輪は、まず普通に生活していて変色することはあり得ません。
ここでは、銀の指輪や変色しやすい素材の指輪の対処法をお伝えします。
現在、自分の持っている指輪が変色してしまった、もしくは変色が気になった場合、解決するには化学反応している部分を削るのが最も有効な手段になります。
手っ取り早いのは、貴金属磨きの布で研磨することです。
ホームセンターや、コンビニなどで販売されています。
指輪の素材が他の物質と反応して変色しているのが原因なので、その反応している部分を取り除く事ができればまた、当初の輝きを取り戻す事ができるでしょう。
ただし、研磨剤は綺麗にしてると言うよりは削っています。
微妙に少しづつではありますが指輪が削られて綺麗になっているのでだんだんと軽く、薄くなっていくので注意しましょう。
まとめ
指輪の変色は、金属の周りとの化学反応で起こります。
変色しない安定した素材は、
- プラチナ
- 金
でありますが、そのなかでも含有量の多いものを選びましょう。
プラチナ製や金製であっても含有量が少なければ、他の混ぜられている素材が水分や他の物質と反応し変色してしまいます。
プラチナであればpt900以上、金であればk18以上であれば、まず変色する事はないでしょう。
手に輝きを与えましょう。