室内に灯油の保管場所がなくベランダに置いている、確かに外におけば邪魔にならないですし、こぼしても外なので気にならないところです。
実際問題として、灯油をそのままベランダに保管するのは少し危険です。
確かに外は風通しも良く安全のように見えますが日光や天候などで様々な影響を受けています。
ポリタンクはプラスチック製のため、金属製よりも耐久性が弱いことが上げられます。
今回は、灯油をベランダに保管する危険性と、灯油の特徴についてお伝えします。
灯油の保管場所にベランダが危険な理由
灯油をポリタンクに入れてそのままベランダに置くと危険な理由は、
- 直射日光によるポリタンクの劣化
- 雨により、ポリタンクの中に水が入る
- 灯油の温度が40℃に達すると引火する危険がある
- ベランダが1階の場合、放火される可能性がある
- 万が一、火事が起きた場合ベランダの灯油が引火し、付近が激しく燃え損傷する
などが上げられます。
直射日光によるポリタンクの劣化
ポリタンクはプラスチック製で、直射日光の影響を大きく受けます。
表面の劣化は当然のこと、ふたのパッキンの部分も劣化します。
劣化すると、灯油が漏れます。
ポリタンクをベランダに運び入れるとき、揺れで漏れ出します。
長期間同じポリタンクを使用すると劣化が進み、破損の原因にもなります。
きちんと密封されないことになるので危険です。
雨により、ポリタンクの中に水が入る
天気が晴れのときもあれば、雨のときもあります。
ベランダでは、雨の水が直接ポリタンクにかかる場合があります。
きちんと密封していれば良いのですが、ポリタンクの劣化により、水分がポリタンクの中に入る事があります。
まず、水が入った場合、水分はポリタンクの下に溜まります。
理由は灯油は油のため、水より軽い性質を持っています。
ポリタンクの中で水と灯油が混ざる事はあり得ません。
水分が下に溜まった状態で、そのポリタンクから、ストーブやヒーターのタンクに給油すれば、水分がタンクに入ってしまいます。
ストーブやヒーターの故障の原因になります。
買い変えとなるとお金もかかりますし経済的にも損する可能性があります。
灯油の温度が40℃に達すると引火する危険がある
灯油は、危険物に指定されています。
危険物の種別は乙種4類の引火性液体に分類されています。
灯油の知識としてお伝えしますが、常温(20℃)ではまず、燃える事はありません。
理由は灯油の特徴にあります。
そもそも、液体が燃えだすには、液体から蒸気が発生しなければなりません。
この蒸気に熱源の火が触れることで始めて燃える事ができます。
灯油が蒸気を発する温度は40℃です。
これを、引火点と呼ぶのですがこの温度にならない限り燃えだす事はありません。
冬の季節は40℃に達する事はまずないと思いますが、夏は注意が必要です。
気温が40℃に達しなくても、ポリタンクの中が40℃を超えれば、蒸気を発生します。
そこに火を近づければ燃えだしますので注意しましょう。
タバコの火にも注意しよう
喫煙者がいる場合、ベランダに灯油がある状態でのたばこはやはり危険です。
基本的に液温が40℃に達しなければ燃焼することはありませんが、安全とは言えまえんよね。
冬は気温が低いので、蒸気を発しませんが、夏場は高温になるので引火には注意が必要です。
いずれにしても、灯油は危険物に指定されています。
火気厳禁のほうが安全です。
参考までにガソリンの引火点は-40℃以下
ちなみに、車に給油するガソリンの蒸気の発する温度は―40℃以下です。
マイナスです。
夏でも冬でも関係なく蒸気が発生しています。
ガソリンが危険と言われる原因は、常に燃える準備ができている状態にあるからです。
車の給油口からモワモワと出ている透明な湯気は蒸発したガソリンです。
火を近づけると即引火し、爆発的に燃焼します。
これがガソリンの特徴です。
1度燃焼が始まったら消すのは困難になります。
絶対に火を近づけないようにしましょう。
ベランダが1階の場合、放火される可能性がある
これは、ベランダが1階に住んでいる人だけになりますが、万が一の可能性があると言う事です。
ポリタンクの色は基本的には赤色です。
非常に遠くから見ても目立ちます。
面白半分で火を付けてやろうと考える人も中にはいるかもしれません。
先ほどお伝えしましたが、灯油は液温が40℃にならないと燃える事はありませんが、温めればいつでも燃える事ができます。
火災予防のためにも、ベランダに置かない方が良いでしょう。
灯油の保管は室内に置こう
灯油をベランダに置くと、ポリタンクの劣化による漏れ、水分によるストーブやヒーターの故障の原因、液温の上昇により火災の原因になります。
ではどこに置くのが良いのでしょうか。
それは、
- 直射日光の当たらない場所
- 風通しの良い所
- 涼しい所
が上げられます。
室内で考えると狭くなってしまいますが、玄関や廊下、室内にどうしても置く事ができない場合は物置が良いのではないでしょうか。
ベランダに置く場合には、ケースに入れて保管しよう
灯油を保管すると言っても、アパートの場合室内が狭くなりますよね。
そういうときは、ケースをで一回り覆って保管するようにしましょう。
- 直射日光を避ける
- 雨の当たらないようにする
- ポリタンク内に水分の侵入を防ぐ
などがポイントです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
灯油の保管場所にベランダが良くない理由は、
- ポリタンクの劣化による灯油漏れ
- 雨水が混ざる事により家電製品の故障
- 液温上昇により引火の可能性がある
- 万が一、放火の可能性もある
- 火災の際の、激しいベランダの損傷
です。
灯油の保管はなるべくベランダではなく、安全性を考え室内の冷所に保管するようにしましょう。
ガソリンスタンドでも、灯油の保管場所は直射日光の当たらない地下タンクの冷所ですよね。
どうしても、保管場所が見つからない場合は、ケースに入れて、直射日光を避け、雨の当たらないように密封して、保管すると良いでしょう。
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