大豆は古くから食べられてきた食材の1つです。
大豆の語源は、大いなる豆と言われています。
昔の人はおそらく大豆の持つ力を知っていたのでしょう。
大豆は、肌の健康やお腹の調子を整えるなど、栄養の豊富さがあります。
今回は、大豆の栄養について迫ってみたいと思います。
大豆の栄養から得られる良い効果効能9つ
良質なタンパク質
筋肉と内臓などの構成成分であるタンパク質が100g中に約35g含まれ農作物の中でもトップクラスです。
しかも、タンパク質を構成しているアミノ酸のうち、体内で合成できない必須アミノ酸のバランスを示すアミノ酸スコアも高く、肉にも劣らぬ良質のタンパク質を豊富に持っています。
『畑の肉』と呼ばれるのは、タンパク質が良質だからです。
コレステロール値を下げる
大豆には100g中に約19gの脂質が含まれています。
大豆の脂質の特徴は、その多くが肉などの脂質と違って、血液中のコレステロールを下げる不飽和脂肪酸であることです。
中でも、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす働きをするリノール酸がその半分以上を占めています。
脳を活性化する
大豆に含まれる資質で、特に注目されているのがレシチンです。
生体膜の重要な部分で、血中コレステロールを内臓に運び、体外への排出を促します。
また、脳の情報伝達や記憶に欠かせない物質であることも分かって来ており、認知症に対する予防への応用が検討されています。
お腹の調子を整える
大豆には、糖質の一種である大豆オリゴ糖が含まれています。
大豆オリゴ糖は消化分解されることなく、そのまま大腸に行きつきます。
そこで、善玉菌の餌となり、善玉菌を増やし、お腹の調子を整えます。
甘さが砂糖の約70%あり、低カロリーであることも大豆オリゴ糖の特徴です。
骨の健康を維持する
ポリフェノールの一種で大豆イソフラボンが大豆には含まれています。
大豆イソフラボンは、女性ホルモンと似た働きをし、骨のカルシウムが溶け出すのを防ぎます。
肌を健康にする
大豆には、エネルギー代謝を助けたり、脳の神経、皮膚などを健康に保つビタミンB群を豊富に含んでいます。
抗酸化作用がある
大豆をゆでた時に出てくる泡の成分がサボニンです。
強い抗酸化作用があり、動脈硬化の原因となる過酸化脂質の生成を抑制します。
食物繊維が摂れる
食物繊維と言うとゴボウを思い浮かべてしまいますが、100g中のゴボウの食物繊維約6gに対し、大豆はおよそ3倍の約17g含まれています。
ミネラルが豊富
健康な骨や丈夫な歯を作るカルシウムや、細胞の正常な活動をサポートするカリウムなどミネラルも多く含まれています。
大豆の栄養を効果的に摂る上手な摂り入れ方
大豆は生だと固く苦味があるので、そのままでは食べられません。
そのため、いろいろな大豆食品が考えられています。
正しい知識で上手に摂り入れましょう。
ちなみに、
- 枝豆
成長途中の若い大豆です。
緑色の枝豆は大豆と緑黄色野菜の両方の良い特徴を併せ持っています。
大豆同様にタンパク質と脂質が多く、また緑黄色野菜のようにビタミン類も豊富です。
- 大豆もやし
大豆を、光に当てずに発酵させたものです。発芽によって、原料の大豆にはほとんどなかったビタミンCが急激に増加します。
ビタミンCは体内で合成できないため、食品から摂取する必要があります。
蒸す・煮るなら蒸し大豆や煮豆
大豆の栄養成分がほとんど残るのが蒸し大豆です。
煮豆は固い大豆を水で戻して、柔らかく煮たものです。
煮豆はタンパク質やイソフラボン等が煮汁に溶け出すので、これらの含有量が少なくなります。
発酵させる味噌、納豆
- 味噌
蒸した大豆に、塩と麹(こうじ)を加えて発酵させ、熟成させたもの。
発酵により大豆の栄養成分は消化吸収しやすい組成に分解されます。
酵母菌の作用により、腸内で乳酸菌などの善玉菌が増加します。
- 納豆
蒸した大豆を納豆菌で発酵させたものです。
納豆菌は、血栓を溶かす働きを備えたナットウキナーゼや、整腸作用があるとされるプロテアーゼなど、多くの分解酵素を生みだします。
また、発酵過程よりビタミンKも増加します。
絞るおから、豆乳
- おから
すりつぶした大豆から豆乳をこしとった残りカスがおからです。
タンパク質、カルシウム、ビタミンB群もあり、豆腐になると失われてしまう食物繊維もたっぷり含んでいます。
炒り煮にしたり、ひき肉に混ぜておししく摂取しましょう。
- 豆乳
大豆をすりつぶし、熱を加えて絞ったものです。
液体なので消化吸収がよく、しかも豆乳のタンパク質は同じ量の牛乳より多いとされています。
糖類などで調整して飲みやすくしたものを調整豆乳と言います。
絞って固める豆腐
豆乳ににがりを入れて混ぜ合わせて固めたものが豆腐になります。
大豆に比べ、水溶性のビタミンB群やサポニンは減少しますが、カルシウムはむしろ増加します。
消化が良いので胃腸の弱い人でも安心して食べられるのが魅力です。
炒る、そして粉にするきなこ
大豆を炒って、丸ごとすりつぶしたものです。
栄養は大豆とほとんど変わりません。
粉にした分、丸のままの大豆よりも栄養が吸収されやすく、食物繊維も豊富です。
炒ってあるので香ばしさがあります。
大豆から摂る栄養って1日にどれくらいがいいの?
では、実際にどれくらい摂取すれば良いのでしょうか?
厚生労働省の「健康日本21」では、大豆をはじめとする豆類を成人1日100g以上摂る事を目標に掲げています。
しかし、実際は約63g(平成26年国民健康・栄養調査より)しか摂っておらず、特に若い年代の摂取が少なくなってきているのが現状です。
毎日2~3品の大豆食品を摂る事がすすめられています。
また、納豆菌は腸内で2~3日生きているので、納豆は2~3日に1回を目安に食べるようにしましょう。
大豆を食べるときの注意点
アレルギーが起こる可能性
大豆は大豆タンパク質によってアレルギーを起こすことがあります。
特に豆乳や大豆飲料は、大豆タンパク質の吸収率が非常に高い為、他の大豆食品で症状が出ない人でもアレルギーを発症するケースがあります。
万が一、症状が出た時には早めに医療機関で受診をしましょう。
薬の飲み合わせが悪い
ワルファリンは、心筋梗塞の治療や予防に用いられ、血液を固まりにくくする抗凝血剤です。
納豆に含まれるビタミンKは、ワルファリンの働きを阻害します。
ワルファリンを服用している人は納豆を食べないように注意が必要です。
味噌、醤油は摂り過ぎない
味噌や醤油の製造には塩が用いられます。
味噌や醤油を摂り過ぎると塩分の過剰摂取となり、血圧上昇を招きます。
摂り過ぎないようにしましょう。
血圧が気になる方は減塩タイプの物を使用するなどの工夫をしましょう。
サプリメントの過剰摂取
大豆イソフラボンンの過剰摂取はホルモンのバランスを崩す可能性があります。
サプリメントや特定保健用食品による大豆イソフラボンの摂取量はアグリコン型で1日30㎎までが目安です。
乳がんの既往歴がある人や妊婦、子供にはすすめられないので気をつけましょう。
ちなみに、イソフラボンには2つの型があります。
- アグリコン型
- グリコシド型
体に吸収される際は糖が切り離され、アグリコン型になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
大豆には、豊富な栄養がある事をお伝えしたしました。
- 良質なタンパク質
- コレステロール値を下げる
- 脳を活性化する
- お腹の調子を整える
- 骨の健康を維持する
- 肌を健康にする
- 抗酸化作用がある
- 食物繊維が摂れる
- ミネラルが豊富
この9つです。
大豆は食べ方が様々存在します。
正しい知識を身に付け健康生活、そして美肌効果に励みましょう。
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